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予定は未定。

【編入生】履修の手引き【令和最新版】

はじめに

先日、Sセメスターの成績発表があった。

結果としては何とか無事、当初の目的であった全単位の取得ができた。

 

 

しかし今振り返ってみると、Sセメスターの履修計画は反省すべき部分も多かったように思う。

4月の時点でなんとなく履修計画を立ててしまったことを、今になって私はとても後悔している。

 

 

この記事は来年度以降の編入生の後輩に向けたのものである。

後悔のない選択をすることは難しいかもしれないが、せめて君たちには自分自身で納得のいく選択をしてもらいたい。

これを読んだ諸君らの今後の履修計画の参考になれば幸いである。

 

 

時間割

まずは私が4月の時点で何となく決めた時間割を見ていただこう。

ちなみにこの大学では1セメスターの中にタームという区別があり、まあ要するに4学期制のようなものだと思えばよい。

以下はS1セメスターの時間割である。

S1セメスター

諸君はこの時間割を見てどう思っただろうか。

結構なタイトスケジュールだな思った諸君は安心してほしい。

このような滅茶苦茶な時間割になったのは、私が適当に履修計画を立てたせいであって、実際はもっと余裕を持ったスケジュールにすることができる。

 

実はこの大学にはキャップ制というものがあり、一般の学生は週15コマまでしか履修できないらしい。(一応キャップ制限開放という裏技もある)

しかし編入生はなぜかこの制限が適用されず、好きなだけ授業をとることができてしまうのだ。

私はこのキャップ制のことを知らず、保険をかけて無駄に多めに授業をとってしまったせいで、S1セメスターは本当に大変だった。

特に朝起きれないからと言って、毎週5限まで入れたのは明らかに失敗だった。帰りがかなり遅くなる上に、翌日の1限のために起きるのが本当にきつい。

さらに月曜、火曜の4コマ->5コマの流れは地獄だった。やはり履修は1日に4コマまでにすべきである。

 

S2セメスター

次にS2セメスターの時間割である。

金曜3限の生命科学がS1セメスターのみの開講であったため、少し時間割に余裕が出た。相変わらず月曜、火曜は地獄だったものの、水から金は昼までダラダラできる時間的余裕もあり、S1セメスターと比べると断然楽だった。

各授業の詳細は後程述べるとして、次に成績発表である。

成績発表

Sセメスター

Sセメスターの成績は次のようになった。

テストはそれなりに難しかったが、無事に全単位が取れてよかったように思う。

私は授業料免除+給付奨学金の兼ね合いで、あまり可は取りたくなかった。

しかし、まあ一つくらいならば問題はないだろう。

奨学金の観点でいえば、優を取るよりも可と不可を取らないことのほうが重要なのである。

 

この大学には優3割規定という謎のルールがある。進振りのために、成績を相対評価で決めるのだ。

私は工学部編入生なので進振りには関係がないが、大学に入ってまで無駄に厳しく評価を行うこのシステムはあまり好きにはなれない。

せっかく大学生になれたのだから、成績を気にせずもっと自由に好きなことをできるようにすべきだと思う。

しかしその点でいえば、工学部編入生はかなり恵まれているだろう。

後輩諸君らには、進振りがないというメリットを最大限利用して、前期教養を好きなように楽しんでもらいたい。

 

さて次に、それぞれの科目を振り返っていこう。

 

追記:原評価が出たので一応貼っておく。

テストの出来と点数が一致していないので、評価基準がよく分からない。

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振り返り

英語一列

英語苦手な高専出身者が恐れる科目No.1。

正直この科目の単位が一番心配だった。

担当の先生がなかなかに曲者で、4回ほど200字の英語のエッセイの課題が出た。

しかもそのエッセイに生徒間の相互評価によって0~10点をつけることになっていた。

進振りが関係するかどうかは定かではないが、かなり辛口にエッセイの採点がされていて、少し悲しかった。

ちなみに私は菩薩の心で、エッセイに大体8点以上の点数をつけておいた。(私にはこれくらいしかできない)

テストはマークシートで、問題文は英語で書いてあった。(読めない)

正しく問題の意図をくみ取れているか不安だったが、まあ単位が出たので結果オーライ。

 

英語二列S(FLOW)

英語苦手な高専出身者が恐れる科目No.2。人によってはNo.1かもしれない。

この科目では授業すべてが英語で行われ、ディスカッションをするなど実用的な英語を学ぶことになっている。

私はそもそも日本語ですらろくにディスカッションをしたことがないので、この授業が始まる前はかなり不安だった。

一応、英語力に応じてクラス分けされるため、ヤバいクラスにぶち込まれることはない。(自己申告制)

私はスピーキングに関しては最弱レベルなので、FLOWは一番簡単なレベル1を選択した。そしてここでレベル1を選んだことは、私のSセメスターの中で最も良い選択だったといえる。

というのも、英弱コミュ障にとってFLOWはマジでキツかったからだ。

序盤は英語の発音や自己紹介など、簡単な英会話からスタートしたものの、後半になると急にレベルが上がり、英語でのディスカッションが求められる。

しかし、私がいきなり英語でディスカッションなどできるわけがない。

ディスカッションなのに、家から持ってきた英文をそのまま読み上げて主張するだけという地獄の時間を過ごした。

唯一幸いだったのが、ここがFLOWレベル1だということである。多少言葉に詰まって黙ってしまっても、「まあレベル1だから仕方ないね^^」みたいな雰囲気になり、そこまでダメージを負わなかったからだ。

ちなみにどれだけ心にダメージを負っても、ちゃんと全部出席すれば単位は出るから、この話を聞いて戦々恐々としている英弱の後輩諸君は安心してほしい。

 

ロシア語一列・二列

優上

所謂第二外国語。必修科目。

私は高専時代、ドイツ語の単位を取ったのだが、これが全く面白くなかったため、大学では別の言語を学ぼうと思ったのだ。

なぜロシア語にしたのかというと、特に深い意味はなく、キリル文字を読めたらかっこよさそうというだけの理由だ。

理由を後付けするなら、ロシア文学にも若干興味があったから。

特に去年の冬に『ドライブ・マイ・カー』を見たとき、映画の中でチェーホフの『ワーニャ伯父さん』が出てきて、ロシア文学に少し興味を持った。

 

授業はそれなりに大変だった。

ロシア語は格変化が多く、覚えるのが純粋にキツい。

しかし、覚えてしまえばテストはそこまで難しくはないので、単位は余裕だろう。

 

あと先生が二人ともかわいい。(重要)

 

初年次ゼミナール

合格

1年の必修科目。少人数で受ける授業で、名前の通りゼミみたいな感じだった。

私が選んだのは理物の先生が開講する素粒子関係のゼミの、「ヒッグス粒子の見つけ方」だった。

別に素粒子に興味があるわけではないが、消去法でこれになった。

初ゼミは先生によって内容が全然違って、発表やレポートなど色々な形式がある。

おすすめは断然、発表形式のゼミだ。

私の選んだ初ゼミの教室は、指定された本をみんなで輪講するタイプで、担当のグループがパワポで発表する形式だった。

2回発表すればそれで終わり。

しかし終わってみればそれなりに面白かったので、おすすめである。

 

生命科学

優上

2年の必修。

日光植物園の園長による植物や生物の授業。

なんで必修になっているのかよくわからないが、まあ高専では生物はそんなにやらないから仕方ない。(編入生はなぜか、ガチで難しそうな物性化学などの必修は免除されている。多分これは教養学部の優しさだと思う)

授業自体は結構面白かった。先生が結構癖がある人で、授業は盛り上がっていた。

テストは半レポート形式だった。問題があらかじめ公開されていて、当日テストにその答えを書く感じ。

問題は選択式で、難しいものと簡単なものがあった。ポントリャーギンは結局いまいちわからなかったから適当に書いた。記述問題にはポエムを添えたらなんか意外と評価が高かったので、そんなに気負わなくても大丈夫らしい。

単位は大丈夫なので楽しむと良い。

 

ロシア語初級(演習)

優上

ロシア人の先生にロシア語を教えてもらえる授業。

可愛いロシア語の先生が来ることを期待していたら、先生はダンディーなおじ様だった。

まあトロツキーみたいで可愛かったのでヨシ。

受講者は全然いなくて、潜りの人も含めて6人だった。

少人数だと先生に直接色々教えてもらえるのでとても楽しかった。

最後の授業ではロシア映画を見せてもらった。ロシアンジョークのセンスはよくわからなかったがそれなりに面白かった。

おすすめの授業である。

 

言語構造論

優上

自然言語について言語学情報工学の観点から学ぶ。

私は高専時代、自然言語処理についての卒研をやったため、半分くらいは既知の内容だった。

それでも多角的な視点からの授業は興味深い内容であったため、おすすめである。(テストは簡単)

 

記号論理学(理科生)

命題論理や述語論理について学べる。

この科目はなぜかZOOMで同時配信してくれたので、ほとんど自宅で受講した。

区分はA系列なのに内容はどちらかといえば理系よりの授業だった。証明図を描くのがメインであるため、パズルが好きな人はより楽しめると思う。

そうでなくても、後述する「計算の理論」との関連もあり、情報系の学科の人にはお勧めの科目となっている。

ちなみにテストはそれなりに難しかったので、注意が必要である。

 

人間行動基礎論(理科生)

優上

人間の行動の基礎を教えてくれる。(適当)

はじめは取るつもりはなかったが、周りが楽単といっていたので私も取った。

プリントが配られてノートをとらなくてもいい形式なので、授業中はとても眠くなってしまった。しかし授業自体は結構面白かった。

内容は錯覚や心理学、脳など、人間に関するあれこれをしっかりと教えてくれる。

テストはマークシートでとても簡単。単位期待率ほぼ100%。

A~D系列で迷ったら、とりあえずこれを取っとけばいい。

 

認知脳科学

人間の脳についていろいろ詳しく教えてくれる。

人間行動基礎論と1/3くらい内容が被っていたので、どちらかをとればいいと思う。

この授業はどちらかというと臨床的な感じ。

こちらの授業も同様に結構面白かった。

 

振動・波動論

振動・波動について学べる。

一次元の単振動から始まり、連成振動、波動方程式と、振動・波動について一通り詳しく学べる。

私は半分くらいは既知であったし、おそらく高専出身の後輩諸君もそうだと思う。

しかし、波動方程式の導出や、ダランベールの解、 フーリエ級数展開を使って波動方程式を解くなど、新しく学んだことも多かった。

振動や波動をもう少し詳しく学びたい人にはお勧めの授業である。

ちなみにテストはあまり出来なかったが、なぜか意外と評価がよかった。

 

相対論

アインシュタインの作ったアレ。特殊相対性理論について簡単に学ぶことができる。

ローレンツ変換がメインで、微積を使わない物理。また、おそらく情報系の学科に進む人は学科では学ばない科目でもある。

私は正直この科目はあまり面白くないと思ったが、興味がある人は取ってみるとよい。

またこれは本質情報だが、テストの問題は公開されている過去問から主に出るらしい。

しっかりと解きこめば単位はおそらく大丈夫だろう。

 

物質・生命工学基礎ⅠB

優上

量子コンピュータについて詳しく学べる。

量子ビットの説明から始まり、最終的にはショアのアルゴリズムまでカバーしてくれる。(ショアのアルゴリズムは、多項式時間で因数分解できるアレ。サマーウォーズにも出てくる)

後半の授業を担当する古澤先生は、光量子コンピュータの超有名人で世界初の量子テレポーテーション実験に成功した人らしい。

自己紹介代わりにNHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」を流し始めて、かっこよかった。

評価はレポート。そんなに難しくはなく、内容もかなり面白いので全員にお勧めできる授業である。

 

ベクトル解析

ベクトル解析について学べる。

積分や面積分、グリーンの定理や微分形式など、ベクトル解析を幅広く学ぶことができる。

評価はレポート。隔週でレポートが出るので量もちょうどよく、学んだことの復習にもなってよかった。

工学系(電磁気をやる場合)はベクトル解析が必須なので、できれば取っておいたほうが良い。

 

計算の理論

優上

前半はアルゴリズム、P≠NP問題やチューリングマシン、後半はラムダ計算などを学んだ。講義名の通り、計算とは何かを学ぶことができる。

私は高専時代、情報工学科だったため、ある程度はこれらについての予備知識があったが、大学一年生に対してこのレベルの内容の授業をやるのはなかなかにヤバいなと思った。

おそらく理情の人たちはとても賢いのだなと思った。

そうはいっても、評価はレポートなので、そんなにビビらなくても、ちゃんと提出すれば単位は出るはずである。

レポートは大変だったが、結構面白い授業だったのでお勧めである。

また後半のラムダ計算は、命題論理と密接な関係にあるため、これとセットで記号論理学も受講することを強く推奨する。

 

学術フロンティア講義

合格

必修。色々な種類があり体験型の講義などもある。

私は特に深く考えず、計数工学科の先生が開いている講義を選んだ。

内容は面白かったが、別に計数の講義はAセメからも取ることになるので、必ずしもこれにする必要はなかったのかなと思う。

前期教養の最大の目的は、視野を広げることにあると私は思っている。

視野を広げれば、「ボーカロイド音楽論」など面白そうな講義も沢山あるから、後輩諸君も前例にとらわれずに自由に選んでもらいたい。

 

最後に

ここまで、私はSセメに受講した講義の感想についてまとめてきた。

さて諸君はこれを見てどう思っただろうか。

私は去年の今頃、大学の授業で単位を落とさないか不安で仕方なかった。

しかし、実際には大学の授業も意外と何とかなってしまった。

もし当時の私と同じような不安を抱えている人がいるなら、この記事を読んで少しは安心できただろうと思う。

 

最後になるが、この記事が読者の履修計画の手助けになれば幸いである。

後輩諸君が納得のいく前期教養を過ごせることを願って、この記事を終えるとする。